インフルエンザは、毎年1月~3月が流行期と言われますが、2018年は何と、9月初めからインフルエンザによる学級閉鎖がありました。
異例ですよね。
地域もバラバラで、茨城県の中学校、東京都の小学校、福岡県の中学校、山形県・高知県の幼稚園でもです。
インフルエンザとはどんな病気なのか、予防法なんかについて説明していきます。
特に、幼児や高齢者は重症化してしまうケースもありますので、より注意も必要です。
インフルエンザとはどんな病気?
インフルエンザとはインフルエンザウィルスに感染して起こる感染症です。
インフルエンザウィルスには、A型・B型・C型があり、人に感染するのは主にA型とB型です。
A型インフルエンザウィルスには、144通りの型に分類され、型ごとに感染後の体内の免疫反応を引き起こす性質が異なります。
そのため、インフルエンザに以前かかったことがあっても、その年に流行している型に合う免疫を持っていないと、インフルエンザにかかってしまうのです。
インフルエンザの症状、軌道症状と全身症状
- 38度以上の発熱
- せき
- 喉の痛み
- 鼻水
- 全身がだるい倦怠感
- 関節痛
- 筋肉痛
- 頭痛
発熱、せき・喉の痛み、鼻水といった上気道症状とともに、全身がだるい、関節痛・筋肉痛、頭痛といった全身症状が一緒に現れるのがインフルエンザの特徴です。
主な感染経路は?会話からもインフルエンザは感染する?
主な感染経路は、飛沫感染です。
インフルエンザに感染した人の、せき・くしゃみ・会話から吸入することで、喉や鼻から感染します。
- 1回のせき・・・90万個程度の飛沫
- 1回のくしゃみ・・・200万個程度の飛沫
- 5分間の会話・・・せき1回分くらいの飛沫
せき、くしゃみだけでなく、普通の会話でも感染の恐れがあることが分かっています。
特に感染に気を付けたい人は、高齢者と乳幼児
- 高齢者
- 乳幼児
- 肺や心臓に持病がある方
- 妊婦 等
こういった方々がインフルエンザにかかると、重症化・合併症のリスクが高くなってしまうので注意が必要です。
高齢者に多い合併症【肺炎】
高齢者に多い合併症が肺炎です。
インフルエンで炎症を起こした気道の粘膜は、免疫の働きが低下し、肺に細菌が侵入しやすくなります。
症状は以下の通りです。
- 発熱やせきが長引く
- 膿(黄色や緑色)のような痰が出る
- 息苦しさや胸の痛み
高齢者では、上記のような症状が現れずに、
- 何となく元気がない
- 食欲がない
こういった症状だけが現れる場合もあります。
乳幼児に多い合併症【インフルエンザ脳症】
インフルエンザに感染することで、炎症を引き起こすタンパク質が過剰に作られて、脳に影響を及ぼし、インフルエンザ脳症になると考えられています。
- 幻覚や言動の異常
- 意識障害
- けいれん(痙攣)等
高熱が出た後に、上記症状が出ます。後遺症が残ってしまったり、死に至ることもあるので注意が必要です。
高齢者・幼児の場合は特に、合併症を防ぐために感染しないように予防することが重要です。
予防にはワクチン接種が効果的?
ワクチン接種による予防が最も簡単で効果的と言われています。
- インフルエンザの発症を50%~60%減少させる⇩
- 高齢者死亡のリスクを82%減少させる⇩
ワクチン接種の目的は、発症予防よりも重症化を予防することが大きいと言えます。
ワクチン接種の効果には、ワクチンを打たれた方の年齢や持病、その時の体調、ワクチンに含まれているウィルスと実際に流行しているウィルスがどのくらい一致しているかによる影響はあると言えます。
インフルエンザワクチン接種のタイミングは?
ワクチンを接種してから2週間から抗体が上がり始めて、1か月から2カ月にピークを迎えます。
毎年、1月~3月頃に流行するので、流行期の1か月前までには、ワクチン接種をするのがお勧めです。
ワクチンの効果は、一般的には接種後5カ月程度継続するといわれています。
- 接種する時期・・・11月末頃から遅くとも12月中旬までがお勧め
- 特に受験や冬の旅行などがある方は、更に1か月程度早めに接種することが大事。
子どものワクチン接種は6カ月から13歳までは2回接種が必要!
【13歳以上の場合】・・・1回接種
【6か月~13歳未満の場合】・・・2回接種
- 1回目から2回目まで、2週間から4週間開けて2回目を接種。
- 4週間開けることが最も効果的と考えらえている。
- 2回目を接種してから抗体が上がりだす為、早めに1回目を打つことがポイント
https://chan-kumam.com/sick-9/
インフルエンザワクチン接種の費用は?無償化の地域も
インフルエンザワクチンの1回の費用は、3000円~5000円程度です。
医療機関によって異なりますが、平均で1回4000円程です。
家族全員分のワクチン接種費用を高いととるか、リスクを考え安いと取るか、難しいところではありますね。
埼玉県飯能市では子ども・高齢者はワクチン接種無償化
埼玉県飯能市内に住民登録のある子ども、高齢者に対し、インフルエンザワクチン接種が無償、もしくは一部負担で受けられます。
【生後6か月~中学3年生の方】
接種期間は平成30年10月20日~平成31年1月31日限る- 指定医療機関で接種をした場合に限る
- ワクチン接種1回目・2回目(13歳未満)とも無償
【高齢者65才以上の方】
接種期間は平成30年10月20日~平成31年1月31日限る- 指定医療機関で接種をした場合に限る
- 費用負担1000円
こんな地域もあるんです。うらやましい限りです。
ワクチン接種以外の予防策は?
咳やくしゃみを手で受け、インフルエンザウィルスが手について、そこから感染することも考えらます。
- 石鹸と流水で手洗いにより洗い流す
- アルコール性の手指消毒剤を使用する
- マスクにより人への感染を防ぎ、湿度を保つ
十分な手洗いは、インフルエンザを予防するだけでなく、それ以外の感染症の予防にも期待できます。
尚、インフルエンザウィルスはアルコールに弱いので、アルコール性の手指消毒剤を使用することは非常に効果的です。
部屋の温度・湿度管理と規則正しい生活も大切
一定の湿度・温度を保つことは、インフルエンザへの予防にもなります。
- 部屋の湿度を50%~70%
- 部屋の温度20度~25度
インフルエンザウィルスは、高温多湿に弱いため、上記の温度・湿度を保つことで、空気中の感染力が下がると言われているのです。
実際のところ、室内の温度・湿度管理は、一般家庭であればなかなか難しいところ。
そんなときには、マスクによる湿度管理で、インフルエンザの感染を防ぐことが出来ます。
- 規則正しい生活
- うがい手洗い
- マスクの着用(湿度管理)
- 適度な運動
- バランスの良い食事
- 十分な睡眠
疲労やストレス、睡眠不足等で体調が低下している場合は、インフルエンザウィルスに対する抵抗力も低下しています。
栄養と休養を十分に取り、体調がおもわしくない時などは、なるべく人ごみには出かけないように心がけましょう。
インフルエンザの治療法は?薬の処方は?
インフルエンザに感染し、医療機関を受診した際には、抗インフルエンザウィルス薬を処方されることがあります。
抗インフルエンザウィルス薬は、発熱期間を1日ほど短縮させ、重症化を予防する効果が認められています。
尚、抗インフルエンザウィルス薬には、ノイラミニターゼ阻害薬とエンドヌクレアーゼ阻害薬があります。
ノイラミニダーゼ阻害薬は、ウィルスが次々と広がることを抑えることで効果を発揮する薬です。
- オセルタミビル(タミフル)内服薬(5日間服用)
- ザナミビル(リエンザ)吸入薬
- ラニナミビル(ラニナミビル)吸入薬
- ペラミビル(ラピタアクタ)注射液
2018年からバロキサビル(ゾフルーザ)という新しい薬も
2018年から、バロキサビルという新しい薬を使えるようになりました。
エンドヌクレアーゼ阻害薬とは、ノイラミニダーゼ阻害薬とメカニズムが異なり、ウィルスが増殖する時に必要な酵素を阻害することによって、その効果を発揮する薬です。
- バロキサビル(ゾフルーザ)内服薬(1回の服用のみ)
効果の発揮の仕方、内服薬の服用回数の違いに特徴があります。
子どもの異常行動は?薬の副作用が原因?
最近の研究では、異常行動は薬を飲む、飲まないにかかわらず発生していることが分かっています。
近年まで、「薬の副作用による異常行動」と捉えられていましたが、インフルエンザという疾患自体に起こっていると考えられています。
インフルエンザに感染してしまった際には、保護者が子どもの様子をきちんと観察し、万が一、急に走り出す・飛び出そうとする様な異常行動を起こした際に、すぐ対応できるように心がけることが大切です。
インフルエンザまとめ
インフルエンザワクチンを接種した場合でも、インフルエンザへの感染を100%防ぐことはできません。
インフルエンザのワクチンを接種していても、インフルエンザに感染することだってあります!
特に、子供や高齢者の場合大切なのは、重症化への予防です。
ワクチン接種によると、重症化・合併症への予防、それ以外にも、日常的に予防生活を行い、インフルエンザへの感染リスクを減らすことが大切です。