「うちの子どもは年中鼻水を垂らしているとか、37度台の発熱なんてしょっちゅう!」
「でも・・・38度後半~40度の発熱になると、何か大きな病気にかかっているのではないか?と不安になってくる。」
そんな方も多いのではないでしょうか。
高熱になると、幼少時は痙攣(けいれん)を起こしてしまうこともあります。
我が家の子ども達はみんな熱性けいれん持ちですが、問題なく保育園へ通い集団生活を送れています。
熱性けいれんは、集団生活に全く支障はありません。
高熱からの熱性けいれんについて、原因、症状や対処方、処方薬などについて、我が家の経験の踏まえて説明していきます。
熱性痙攣(けいれん)の原因とは?
熱性けいれんは、発熱を伴います。
子どもの痙攣で最も多いのが、【熱性けいれん】です。
熱性けいれんは、名前のごとく「熱があり、けいれんを起こす病気」で、熱の原因が髄膜炎、脳炎など中枢性疾患や代謝性疾患ではないときに、熱性痙攣と診断されます。
幼児は、脳の働きが未発達のため、高熱が刺激となり痙攣を起こすと言われています。
急激な発熱の際や、発熱後その後に急激に熱が上がる時に、脳への伝達が間に合わずに、痙攣を起こしてしまうということです。
熱性痙攣は、誰でもなるの?
熱性けいれんは、親から子へ遺伝します。
熱性けいれんは、子どもの10%程度に見られ、わりと身近な病気です。
6か月頃から小学校に上がる頃までは、熱性けいれんを起こす可能性があると言われていますが、年齢が上がるにつれて熱性けいれんは起こさなくなるのが通常です。
熱性けいれんを起こす子どもは、両親や兄弟が子どもの頃に、同じ熱性けいれんを起こしたことがあることが多く、親から子へ遺伝する病気だとも言われています。
母親が熱性けいれんの場合、20%~30%、両親の場合40%程度遺伝すると言われています。
100%の遺伝ではありませんが、可能性としてかなり高くなります。
熱性けいれんを1回起こすと、約半数の子どもが2回目の痙攣を経験(3回目はさらに10%程度)、38度以上の発熱後24時間以内に痙攣を起こすことが多くあるようです。
ママ・パパの小さい頃も病気についても確認しておくと気持ちの準備が出来ますよ!
わたし自身、幼少期の病気についてあまり記憶はありません。
実際、1歳~3歳頃に複数回、熱性けいれんを起こしていた記憶は全くありません。
熱性けいれんを起こした記憶もなければ、子どもが産まれなければ、実の母とは言えども小さい頃の病気の話をする機会も少ないですよね。
子どもが痙攣を起こして、母親に伝えたところ「実はあなたも小さい頃、よく痙攣起こしてたのよ~」なんて言われることも!
自分自身もそうですが、旦那さんの小さい頃の病気については、子どもが産まれてからでも早めに確認すると、多少気持ちの準備もできます。
気持ちの準備とは言いますが、子どもの痙攣を何度体験しても、毎回落ち着いて居られず、慣れることはないと思います。
熱性けいれんの症状と対処法
熱性けいれんの症状について
熱性けいれんの症状は、主に下記のように言われています。
- 身体がガタガタ震える
- 手足を突っ張る
- 白目をむく
- 呼吸が止まり唇が紫になる
一般的には、2~3分くらいの間、発作を起こすことが多いようです。
子どもの熱性けいれん、少しでも不安であれば救急車を呼ぶことを強くお勧めします!
実際に体験すると、「呼吸はし出したけど、意識は朦朧としている」、とか、「子どもが小さすぎて回復しているかわからない」等、痙攣が終わってからも、大丈夫な状態かわからないと思います。
育児書には、
- 様子をみて大丈夫そうなら・・・
- 数分でおさまるけいれんなら・・・
- けいれん後熱もなく元気なら・・・
こんな時は、家で様子を見ましょう等と書いてあることも多いです。
しかし、少しでも不安なことがあれば救急車を呼ぶことをお勧めします。
突然のけいれんの対処方、とにかく慌てないことが一番大切です
痙攣が始まっても慌てない・・・難しいのですが、落ち着いて様子を観察することが大切であると、小児科の医師より言われています。
- 口の中に物が入っている場合や、嘔吐してしまった場合は、体を横に向けて、気道に物がつまらないようにすることも必要です。
- 急なきつけにビックリしても大声を掛けない、体をゆすったりしてはいけません!刺激を与えると長引いてしまうことも。
痙攣の観察ポイント!落ち着いて観察できない時は動画で記録を残す!
小児科や救急車で大きな病院へ搬送された際等、医師より確実にけいれんの時の状況を聞かれます。
- いつから発熱していたか。
- 何分痙攣していたか。
- 左右対称に痙攣していたか。
- 左右対称でなければ、どこが変だったか。
- 目がどちらを向いていたか。
- 痙攣後の様子はどうだったか。等
上記のことは、間違えなく聞かれます。
観察のポイントとして、落ち着いて確認して下さい。
- 私も最初はそうでしたが、急な痙攣で心配で頭が真っ白、息が止まっていて不安しかない等、痙攣の状態等細かく見ていられない方が多いと思います。
- そこでお勧めしたいのは、痙攣の状況をスマホの動画で撮影する!ことです。
- 動画撮影することで、痙攣がどんな状態だったのか、どのくらいの時間痙攣していたのか等、病院の医師へ伝えることが出来ます。
処方薬はあるの?
けいれんを予防するためにダイアップが処方される場合あります
即効性の処方薬はありません。
けいれんを予防する為に、ダイアップという座薬をもらう場合もあります。
熱性けいれんは、2度目を経験するのは、1度起こした子どもの内、約半数です。
ほどんどの子どもは熱性けいれんを起こすこと自体、1回あるかないかですので、一度経験したからといって、医師からダイアップの処方を受けることはありません。
- 母親、両親が幼少時に熱性けいれんを起こしている
- 兄弟も熱性けいれんを起こしている
- 1度の発熱で複数回のけいれんを起こした
- 2度、3度とけいれんを起こしている 等
上記に複数当てはまる場合に、ダイアップが処方されることが多いようです。
ダイアップの効果と副作用
ダイアップの効果は以下の通りです。
ダイアップの効果
【中枢神経に作用し、神経細胞の興奮を抑えて、けいれんの症状を改善します。通常、小児の熱性けいれんおよびてんかんのけいれん発作の改善に用いられます。(くすりのしおりより)】
具体的な使い方としては、
- 熱が37.5度以上になったら1度目の坐薬を使う
- その8時間後に発熱が続いていたらもう1度坐薬を使う
- 【★効果★】1回目のダイアップ坐薬を使用してから24~30時間程、痙攣を予防できる
熱性けいれんの90%は熱が出始めて24時間以内に起こっているため、最初の24時間を予防することで、多くの場合予防ができるのです。
ダイアップの主な副作用
- ふらつき
- 興奮
- 眠気
私の経験ではありますが、年齢が小さいほど、副作用が出るように思います。
けいれんを予防するダイアップの処方については、医師により考え方も違います。
熱性けいれんを起こしてしまった時には、かかりつけの小児科にも処方薬の必要性等について、質問をしてみてください!
- 熱性けいれんは幼児期の一時的な痙攣で、後遺症はありません。
- その為、小児科医師によって、ダイアップの必要性について考え方は違います。
- 日本では、けいれん予防にダイアップの処方が基本となっていますが、米国等では、ダイアップの使用についてはあまり推奨されいません。
解熱剤は、熱性けいれんを起こしやすい?
一度熱性けいれんを起こすと、解熱剤の処方について迷うところです。
熱性けいれんは、熱が急激に上がることで痙攣が起きてしまうことから、解熱剤で熱を下げるも、解熱剤が切れてしまった時に、けいれんが起きてしまう可能性がある、と言われているためです。
解熱剤の使用有無についても、医師により判断が異なります。
けいれんを促す可能性が否定できないということで、解熱剤の使用について消極的な医師もいます。
しかし、解熱剤を使用することで熱性けいれんを予防することができないが、熱性けいれんが誘発されることも無いとの研究結果も出ている様です。
熱性けいれん体験後、発熱の際の解熱剤使用についても、かかりつけの医師と相談の上、判断ください。
熱性けいれんは集団生活に支障はありません!
保育園や幼稚園へダイアップを預けることもできるケースもあります
我が家の子ども達、2人とも熱性けいれん持ちですが、保育園に問題なく入園し、生活をしています。
保育園へは、座薬(ダイアップ)と38度以上の発熱の際にダイアップを使用するように、医師からの診断書類を添付して毎日預けています。
- ダイアップ2錠を毎日園へ預ける
- 毎週ごとに与薬依頼の書類を園へ提出
- 半年に1回、医師から診断書と新しい薬を園へ提出
こんな風に保育園へ薬を預けるだけでも、ちょっと面倒な手続きですよね。
熱性けいれん自体には、「副作用や命に係わることもない」とわかってはいても、やはり子どもの辛い思いは減らしたいとも思い、薬を預けることを続けています。
保育園や幼稚園によっても、薬を預けることが出来る、薬を預けることが出来ない、薬を預けることが出来ても薬の種類による等と様々です。
- 全ての保育園や幼稚園で持病の与薬を依頼できるわけではありませんが、保育園や幼稚園でも万が一の時に備えて薬を預けることもできるのです。
- 基本的に、園生活で薬を処方する際には親の許可が必要です。
- 薬を処方する状況になった場合は、出来るだけ早くお迎え向かいましょう。
- 特に持病のある子どもを園へ預けている場合は、いつ連絡がきても対応できるようにしておきましょうね。
まとめ
熱性けいれんについて、私目線でまとめてみました。
私は、医療系に詳しいわけではありません。体験と経験からまとめましたので、細かいことや気になることは、かかりつけ医へ相談することをお勧めします。
子どもの痙攣、見ていられない・・・なんて最初は思うと思います。
しかし、熱性けいれん自体には副作用はありません。
小学校に入ることには起こさなくなると言われていますので、その日を待つしかありませんね。