近年、大人の風疹が大流行しています。
風疹と聞くと、小さい子供がなる病気の印象でしたし、私自身怖い病気ではないと思っていました。
しかし、妊娠中の女性が、風疹に感染してしまうと、胎児にも影響が出てきてします怖い病気なのです。
生まれてくる胎児への影響を、唯一予防ができるのも風疹です。
風疹とはどんな病気なのか、練馬区での風疹抗体検査・風疹予防接種の助成対象は誰か、申請方法なんかを紹介していきます。
風疹とはどんな病気?症状は?
近年の風疹流行について、日本の風疹感染者の9割が大人であるとも言われています。
風疹は、感染から14日~21日の潜伏期間後に発症します。
- 全身の発疹
- 発熱(感染者の半数程度)
- リンパ腺の腫れ
- 感染しても症状が出ないこともある(不顕性感染)
風疹は、発熱を伴う場合も高熱になることは稀で、顔やからだに細かい発疹がポツポツと広がり、耳の後ろにあるリンパ腺が晴れることが特徴で、通常は数日で治癒する、基本的には予後良好な感染症と言えます。
一度感染すると、一生にわたる免疫を得られます。
感染しても症状が出ないこともある(不顕性感染)により、気が付かないうちに周囲に感染を広げてしまうこともあるので、注意が必要です。
風疹の感染経路は?会話でも感染する強い感染力。
風疹の主な感染経路は、飛沫感染です。
風疹に感染した人の、せき・くしゃみ・会話からウィルスを吸入することで感染します。
他にも、ウィルスが付着した手で、口や鼻に触れることによる接触感染もあります。
なお、特別な治療法・治療薬はありません。
発熱や関節痛などに対しては、解熱鎮痛剤が用いられる程度で、症状を和らげる対症療法のみです。
風疹感染に気を付けたいのは、特に妊婦
風疹は子どもが感染しても、あまり大ごとにはなりません。
大人が感染すると、高熱が出たり、発疹が長引いたりと重症化するケースもあるのです。
それ以上に、風疹で最も注意したいのが、妊婦への感染です。
妊娠中(特に初期)に風疹に感染してしまうと?
風疹は、免疫のない妊婦が妊娠初期(20週頃)に感染すると、胎児に感染が及び、生まれてきた赤ちゃんが先天性風疹症候群(せんてんせいふうしんしょうこうぐん)という病気になる可能性が高いのです。
妊娠初期に感染するほど、障害が起こる可能性が高まるとされています。
- 先天性心疾患
- 白内障
- 難聴
- 低出生体重
- 血液異常
- 発達の遅れ 等
先天性心疾患・白内障・難聴は、先天性風疹症候群の三大症状です。
このような胎児への被害を防ぐためにも、ワクチン接種がどれだけ重要かが分かります。
しかし、風疹のワクチンは生ワクチンのため、妊娠中には接種することが出来ません。
妊娠を考えた時には、同居親族も含め、風疹抗体検査・ワクチン接種をすぐに受けることが大切です。
風疹の予防法は?ワクチン接種が効果的
風疹は、ワクチン接種により予防できます。
予防接種では、抗体ができない人もいることから、2回の接種が推進されています。
風疹ワクチン接種の現状
現在、風疹のワクチン接種は定期接種となっています。
MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)の使用が推奨されており、定期接種の年齢(1歳~2歳未満・小学校入学前1年間の幼児)での接種費用は、各々自治体にて全額負担しています。
風疹のワクチン接種してないのは、30代~40代の成人男性に多い!
日本では、1976年から、風疹ワクチンの接種が開始され、1977年中学生(女子限定)に対する定期接種が開始されました。
その後、1994年の予防接種法案改定により、1995年4月から生後12か月~90か月未満の男女にも定期接種として実施されるようになりました。
予防接種制度の移り変わり等で未接種の人、とくに30代~40代の成人男性(1979年~1987年10月生まれ)に多く残ったため、近年の大流行につながっていると考えられています。
風疹ワクチンを接種したことがない人へ、接種の対象を広げる経過措置等も何度か行われていますが、接種に対する認識が不足しているのか、十分な広報活動が行われていない為か、接種率が大幅に増加していないのが現状のようです。
練馬区の風しん抗体検査・風しん予防接種の助成対象者は?
助成対象者でも、風疹にかかったことのある方、抗体検査・予防接種を受けたことのある方は対象外
近年、流行している風疹について、練馬区でも抗体検査・予防接種の助成があります。
- 妊娠を希望している女性
- 妊娠を希望している同居者(住民登録上の住所が同一である者)
- 妊娠している女性の同居者
妊婦や妊娠を希望する女性の同居者(住民票が同じ)であれば、性別・年齢に限らず、助成の対象となるのは嬉しいですよね。
尚、助成申請を行う前に、風しん抗体検査を受けた場合は、助成を受けられませんので、必ず申請後に抗体検査を行うようにしましょう!
以下の方は、助成の対象になりませんのでお気をつけください!
【風しん抗体検査の助成対象外】
- 過去に風しん抗体検査の助成を受けたことがある方
- 風しんにかかったことのある方
- 風しん又はMR(麻しん風しん混合)予防接種を受けたことがある方
【風しん予防接種の助成対象外】
- 接種日現在、妊娠をしている方
- 風しんにかかったことのある方
- 風しん又はMR(麻しん風しん混合)予防接種を受けたことがある方
練馬区抗体検査・予防接種はいくら助成される?期限は?
風しん抗体検査も風しん予防接種も1回のみ、費用全額助成を受けられます
風しんの抗体検査は血液検査です。即日結果がわかることはありません。助成回数は1回で、検査費用の自己負担はありません。
尚、風しん予防接種の場合は、接種回数は1回、費用の自己負担はありません。
予防接種では、抗体ができない人もいることから、2回の接種が推進されています。不安な場合は、1回目は全額助成を受け、2回目は自己負担で予防接種を行うこともお勧めです。
風しん抗体検査・予防接種の助成期間は、平成31年3月31日まで
抗体検査にも予防接種にも、現時点では助成を受けられる期間が決められています。
平成30年4月1日~平成31年3月31日まで
風しん抗体検査・予防接種の助成申請方法について
- 窓口で申請/練馬区役所東庁舎6階)
※受付時間は平日8:30~17:15まで - 電話で申請/03-5984-2484
※受付時間は平日8:30~17:15まで - メールで申請/保健予防課への問い合わせメール
メールで助成の申請をする場合は、以下の確認項目へ入力の上、保健予防課問い合わせメールに貼り付けすることが必要です。
1 氏名
2 住所(練馬区以下をご記入ください。)
3 生年月日 昭和・平成 年 月 日
4 電話番号
5 次の(1)から(3)のどれかにあてはまりますか(1) 妊娠を希望している女性(2) 妊娠を希望している女性の同居者(続柄 )(3) 妊娠中の女性の同居者(続柄 ) 注釈:上記の(1)から(3)以外の場合、費用助成の対象外になります。
6 今まで風しんにかかったことはありますか(いいえ・はい) 注釈:「はい」の場合、費用助成の対象外になります。
7 風しんまたはMR(麻しん風しん混合)の予防接種を受けたことはありますか(いいえ・はい) 注釈:「はい」の場合、費用助成の対象外になります。
8 風しん抗体検査を受けたことがありますか(いいえ・はい) 注釈:「はい」と答えた方は、9の質問に答えてください。
9 8で、風しん抗体検査を受けたことがあると答えた方は、風しんの抗体が不十分、またはないことの証明をするもの(1年以内に検査を受けた方に限ります。)はありますか(はい・いいえ) 注釈:「はい」と答えた方は、(1) 検査年月日、(2) 検査方法および抗体値をご記入ください。(1) 検査年月日 年 月 日(2) 検査方法および抗体価 ア HI法: イ EIA法: ウ LA法:参考:抗体価の低い基準 ア HI法:16倍以下 イ EIA法:8未満 ウ LA法:31IU/ml以下
10 【女性の方へ】現在妊娠している可能性はありますか(いいえ・はい) 注釈:「はい」の場合、費用助成の対象外になります。
風しん抗体検査・風しん予防接種の流れ
窓口・電話・メールで申込の後、練馬区の保健予防課より書類が送付されてきます。
- 風しん抗体検査を受ける方へ(抗体検査を受ける方のみ)
- 風しん・MRワクチン予防接種のお知らせ
- 風しん抗体検査問診票件結果票(抗体検査を受ける方のみ)
- MRワクチン背接種予診票
- 練馬予防接種協力医療機関一覧
資料が手元に到着したら、医療機関一覧に掲載してある医療機関へ連絡の上、抗体検査・予防接種の実施有無を確認の上、予約・検査、予防接種を進めましょう。
- 風しん抗体検査は、即日結果は出ません。
- 現在、風しん抗体検査・予防接種助成に関して、申請が集中しているようです。受付から必要書類発送までに2週間程度時間を要すこともあるようなので、早めに申請を行いましょう。
- 抗体を持っている方が、予防接種を受けた場合でも副作用はなく、更に風疹に対する免疫を強化する効果が期待されています。とにっかく時間がない方は、費用の助成を受けることは諦め、即日予防接種を受けることをお勧めします。
妊娠中はワクチン接種はできません。周りの方の協力が必要です。
有効となるのは、やはり風疹ワクチン接種による予防です。
妊娠中は風疹ワクチンは接種することが出来ません。
妊婦さんの場合、妊娠判明後に風疹抗体が少ないと判明した際には、同居親族の風しん抗体検査・ワクチン接種による予防は非常に重要になります。
- 手洗い・うがい
- マスクの着用
- 人ごみを控える
他にも、一般的な感染症リスクを下げる、上記対処法も効果的であると言われています。
風しん症状・練馬区助成制度まとめ
今では大人の感染症ともいえる風しん。
ワクチン接種で、予防することが可能です。
特に、妊婦さんで風疹の抗体(免疫)を持っていない方は、とにかく同居親族の方へのワクチン接種を早急に行うことをお勧めします。
赤ちゃんの病気のうち、唯一予防できるのが、先天性風疹症候群とも言われています。
生まれてくる赤ちゃんの先天性風疹症候群については、抗体がなくとも、周りの人の協力により、予防策を取ることはできます。
風疹感染へのリスクを多くの方が知り、予防接種を受診することの大切さが広がることを願うばかりです。