私自身、妊娠中に初めて出産に関わる費用を調べ、平均50万円程度と知り驚いた記憶があります。
出産費用については、実は国から出産育児一時金という費用が、一定額支給されるです!
利用するべき出産育児一時金の受け取り方法や直接支払制度、受取代理制度、産後申請方式等の流れなんかを説明していきます。
出産に際し支給される出産育児一時金とは?
出産育児一時金の給付目的
出産に直接要する費用や出産前後の健診費用等の出産に要すべき費用の経済的負担の軽減を図るために支給されるものです。
尚、出産前後とは、妊婦の定期健診とは別物です。
妊婦の定期健診費用についは、妊婦の健康管理の充実と経済的負担を軽くすることを目的に、必要な回数(現在は14回程度)の妊婦健診を受けられるよう、国と自治体により負担されています。
出産前後の必要処置の為の検査や入院等が、出産前後に当てはまります。
出産育児一時金の給付対象
出産育児一時金は、給付対象は以下の通りです。
- 健康保険に加入している被保険者とその被扶養者である配偶者等が出産した場合
- 妊娠4カ月、85日以上で出産した人
さらに、出産とは自然分娩だけでなく、帝王切開などの異常分娩・死産・流産・人工妊娠中絶も含まれます。
日本では、健康保険への加入が基本となっていますので、基本的には妊娠85日以上を経過した妊婦が、出産育児一時金の受給対象となると言えます。
出産育児一時金の給付金額は?
産科医療補償制度に加入している病院などで分娩した等の場合、出産育児一時金は1児につき42万円支給されます。
それ以外の病院の場合、出産育児一時金は39万円となります 。
平成21年8月時点での分娩医療機関等の産科医療補償制度への加入状況は、全国の病院や診療所で 99.7%、助産所で98.1%、全体で99.5%となっています。
では、どんなタイミングで出産育児一時金を受け取ることが出来るのか、という疑問があると思いますが、次に説明していきます。
出産育児一時金の受け取り方法は3つ
出産育児一時金には、受け取り方が3つありますが、どの手続き方法であっても、もらえる一時金は同額です。
さらには、加入している健康保険協会、健康保険組合、国民健康保険、共済保険組合等でも、同様の対応、同額の支払いとなります。
- 直接支払制度
- 受取代理制度
- 産後申請方式(出産育児一時金支給申請書による申請)
国が推奨しているのは、直接支払制度です。
ちなみに、直接支払方法が手続きは本当に簡単なので、私も直接支払制度をお勧めします。
一つづつ説明していきます。
【1】出産育児一時金の直接支払制度←国の推奨!
直接支払制度とは、医療機関等において妊婦本人または保険加入者が、出産育児一時金(基本42万円)の申請と受取について代理契約を締結する手続きをします。
この手続きを行うことで、高額の出産費用全額を医療機関へ支払わなくても済むようになるものなんです。
- 出産する産院等が直接支払制度を利用しているか確認。
- 出産予約から入院までの間に「直接支払制度の合意書」をもらい、記入後産院等へ提出。
- 出産入院時に、健康保険証を提出。
- 出産入院の退院時に出産費用から、出産育児一時金の42万円が差し引かれ残りの費用を窓口で支払う。
手元に現金がなくても安心して出産できるようにするため、平成21年10月から、出産費用に出産育児一時金を直接充てることができるようになりました。
とにかくめちゃめちゃ簡単な手続きです!退院後、何か手続きをする必要もありません。
しかし、直接支払制度は産院などが任意参加するという形をとっているため、実際に導入していない産院もあるので出産先の病院への確認が必要なんです。
- 出産する産院等を決めた際には、早めに直接支払制度の利用が出来るのかどうかを確認しましょう。
- 出産の2カ月以内の申請が必須となるので、最低でも出産3か月前には、直接支払制度を行っているかの確認と合意書の提出をするようにしましょう!
出産費用が42万円より安かった場合、差額も受け取れる!
出産育児一時金は基本42万円ですが、出産費用が出産育児一時金より安かった場合、その差額は健康保険から受け取ることができます。
基本的には、各々の健康保険から申請者名義の口座への振り込みになります。
健康保険から「出産育児一時金等の支給決定通知書」や「差額支給のお知らせ」などの通知書が届くことが多いので、説明をよく読んで手続きを行いましょう。
ちなみに、東京都内の出産費用平均は586,146円(平成24年度)です。
私は練馬区で2回出産を経験していますが、出産育児一時金の差額は発生していません。持ち出しが発生してます!
東京都内で出産した友人からも、出産育児一時金の差額が戻ってきたという話は聞いたことがないので、東京都内での出産で差額が発生するのは、ほどんどない・・・と思います。
【2】受取代理制度
直接支払制度が利用できない産院等では、受取代理制度を利用することで、出産費用に出産育児一時金を直接充てることができます。
流れとしては、直接支払制度と比べるとひと手間かかる程度です。
こちらも、出産予定の2カ月以内には申請・委任が必要となります。
書類の取り交わしや到着までに時間を要することもあるので、余裕をもって申請書の本人・医師の記入、提出を進めましょう。
- 出産する産院等が直接支払制度を利用できなくても、受取代理制度の利用は可能であることを確認。
- 加入している健康保険組合等の受取代理申請書に必要事項を記入する。
- 受取代理申請書へ、出産予定医療機関から受取代理人記載欄に署名・捺印をしてもらう。
- 出産予定医療機関から必要事項の記入後、加入している健康保険等へ申請書を提出。
- 出産入院時に、健康保険証を提出。
- 出産入院の退院時に出産費用から、出産育児一時金の42万円が差し引かれ残りの費用を窓口で支払う。
受取代理制度の場合で、出産費用が出産育児一時金よりも少なかった場合は、数ヵ月後に差額が自動的に計算され、差額は支給されます。
出産先の病院の急な変更があった場合は注意が必要!
出産は、出産が終わるまで何が起こるか分かりません。
出産予約をしていた病院で、直接支払制度における合意書の提出をしていても、急な転院があった場合は制度を利用できないこともあります。
急な転院があった場合でも、転院先へ直接支払制度における合意書の提出等が、間に合うタイミングであれば直接支払制度の利用は出来ます。
しかし急な転院の後、早い段階で出産の場合は、転院先での直接支払制度利用の申請等が間に合わないこともあり、そんな時は出産費用全額を退院時に支払わなければなりません。
- 加入の健康保険等へ出産育児一時金支給申請書を提出することで、出産育児一時金を受け取ることはできるので、出産費用における負担額は同額となります。
- 出産見込み相当費用は、万が一のことにも備え、手元に用意できるようにしておくのが得策です。
【3】産後申請方式(出産育児一時金支給申請書による申請)
直接支払制度や受取代理制度を利用しなかった場合(産院で利用できない場合)、また海外で出産した場合は、出産育児一時金の申請は自分で行うことができます。
直接支払制度や受取代理制度は、出産予定の2カ月以内に産院等と合意文書を交わすことになりますが、出産予定2カ月を切った場合は直接支払制度も受け取り代理制度も利用はできません。
出産費用全額の一時負担が発生するデメリットはありますが、そんなに難しい申請ではないので、そこまで心配しなくて大丈夫です。
- 出産入院時に、健康保険証を提出。
- 出産後、退院時に出産費用を全額支払う。
- 直接支払制度を利用していない旨の明細書・出産費用の領収書等、必要書類と申請書を健康保険組合等へ提出。
- 健康組合等より、指定口座へ出産育児一時金支給を受ける。
産院では、直接支払制度を利用しなかった場合の手順についてはよく知っているので、必要書類については、必ず準備してもらえます。
不安な時は、入院中に「出産育児一時金申請に○○が必要なのですが、準備出来ますか?」と確認してみてくださいね。
ちなみに、申請した後は約1か月~2か月程度、支給までに時間を要します。
申請期限は、出産日翌日から2年以内です。
海外で出産する場合は、必要書類も異なってきます!
海外で出産する場合は、日本では当たり前のことが通用しません。
しかし、準備する書類はあまり違いはない場合が多いようです。
- 出生の確認が出来る書類の、出生の届けを出した役所等で発行される出生証明書の原本。
- 出産にかかった費用の領収書等。
- 証明が外国語の場合は、翻訳の添付も必要・・・等
こちらも、健康保険組合等によって大きくことなるので、必要があれば各々の加入保険組合へ確認ください。
まとめ
出産を意識しなければ知り得ない情報である出産育児一時金についてまとめてみました。
出産費用は高額なので、個人的には直接支払制度の利用をお勧めします。
実際私が出産した病院がそうでしたが、直接支払制度の利用可否について説明をしない産院も中にはあるはずです。
出産育児一時金の申請を個人的に行うことは難しいことではありませんし、出産日翌日から2年以内のに申請すれば支給を受けられますが、支給金額が金額なだけに、早めに手続きを終えたいですよね。