保険には入っているけど、いざ保険を使う時にどうしたらいいのか不安もありますよね。
まずは保険会社への連絡が必須になります。
その際に保険会社から聞かれること、今後の流れ、必要な書類等、個人賠償責任保険を使う(請求する)にどんなことが必要となってくるのかを細かく説明していきます。
実は、これは自動車保険や火災保険が使えるかどうかを確認する時でも、最初の連絡方法は一緒なので参考にしてみて下さいね。
最初に個人賠償責任保険はこんな保険です!
個人賠償責任保険は保険用語でみていくと、かなり堅い説明になります。
個人賠償責任保険は、国内外での自動車(乗車・使用・管理中含む)事故以外に生じる、日常生活に起因する偶然の事故による法律上の損害賠償責任を補償する保険です。
日常生活で意図せずに他人の物を壊してしまったり、ケガをさせてしまった時に弁償代や治療費が支払われる保険
これが、個人賠償責任保険なんですね。ちょっと分かりやすくなりましたよね。
生活の中での他人の物を壊してしまった、ケガをさせてしまった場合のトラブルに対応できるのが、この個人賠償責任保険なんですね。
- 車を使用している時に起きた事故やケガについては、自動車保険を使うことが前提であり、個人賠償責任保険を使うことはできません!
- 明らかに故意の場合、個人賠償責任保険が使えないこともあります!
保険を使うか使わないか迷っている場合も、まずは保険会社へ連絡する
個人賠償責任保険については、事故の状況によって保険が使えるケースと使えないケースがあります。
- 日常生活=車を使用中は日常には当てはめない!
- 意図しない=明らかに故意の事故ではない!
- 他人=家族以外
- 過失がある時のみ=法律上の損害を弁償する責任がある時のみ!
お友達から借りていた物を壊してしまった場合や、学校内での事故については保険が使えないケースもあるので十分注意が必要なんです。
保険を使うか迷っている時でも、まずは個人賠償責任保険に入っている保険会社(代理店)へ事故の連絡をして、保険が使えるのか確認してください。
- 保険が使えると確認できれば、安心を得られます。
- 保険が使えないと確認できれば、他の保険や他の対処法があるのか探すことが出来ます。
事故の報告をする事故受付センターでは、保険が使えるかまでの判断が出来ないこともある!
保険会社へ事故の報告をするときには、各々保険会社が設定している事故の受付センターへ連絡します。
最初に聞かれることは、まずは保険契約があるのかという確認がされます。
- 保険に加入している人(契約者)の名前
- 保険の証券番号←これがあれば間違えなし!
- 保険に加入している人の本人特定ができる情報
個人賠償責任保険は、自動車保険や火災保険や、クレジットカードのオプションで付けていることが多いので、保険会社を間違えて連絡してしまうことも多くあるんです。
保険契約があることが確認されると、順を追って以下のことを伝えていきます。
- 事故状況
- 当事者の名前や連絡先
- 相手方の名前や連絡先、住所等
- 破損物・ケガの状況
- 破損物の修理先や病院の状況
最初に連絡する事故の受付センターでは、保険か使えるかどうかの判断はできないこともあります。
まずは正式な事故の担当者からの連絡を待つようにしましょう。
- 次の連絡はいつ頃になるのか?
- 今後の連絡先
- 電話に出やすい時間帯 等
こんなことを確認して伝えておくと、担当者からの電話も取りやすいですよ!
保険が使える場合にも壊れた物の状況やケガの状況の確認が必須!
そうなんです!保険会社の正式な担当者からは、事細かに事故の状況を聞かれます。
- いつ?(〇月□日△時)
- どこで?
- 誰が?
- 何をした?
きちんと事故の状況を確認せずに「保険は使えません」と言われる方が、納得いかないと思うはずです。
- 当事者からの状況確認をしたうえで、保険が使えるのか判断が出来なければ、相手方からも事故の状況を確認します。
- その上で双方の見解が違っていたり、保険が使えるかの判断が出来なければ、事故状況調査を進めて最終的な判断をします。
- 事故状況調査には、2週間~長ければ数カ月かかることもある!
事故相手に保険会社こんなことを確認します!
保険会社は相手へ下記のことを聞きながら、今回の事故でどのくらいの弁償代・治療費がかかるのかを確認していきます。
- 修理代がもう出ているのか?
- 修理ができそうなのか?
- 怪我の場合通院はしているのか?
- 怪我の程度はどうなのか?
- 立替は発生しているのか?
物の場合、修理が出来る状態であれば基本的には修理費用を相手へ支払うことで解決となります。
分かりやすい例を出すと、「子どもが自転車で他人の車にすり傷を付けてしまった」なんて時は、車の修理費用ですね。
- 相手が修理工場で車の修理見積りを取る
- 加害者が立て替えて保険会社へ請求をするOR保険会社が直接修理工場か相手へ修理費用を支払う
一般的には、こんな流れで解決となるケースです。
保険会社を間に通して示談交渉をしている場合は、保険会社が車の傷の状態や修理内容について修理工場と打ち合わせをするので、異常な金額を請求されることはありません。
このケースの場合、相手方の修理費用が全額保険から出ないことについては、次で説明していきます。
全額補償されない?その時の価値によって保険で補償できる範囲は異なる
保険会社連絡をする前や、子どもの親同士の知り合いのために直接相手とやりとりをしている時は特に注意が必要なんです
そんな時こそ、保険で全額補償がでないなんてことが起こりうるんです。
- 子どもが自転車で他人の車を傷つけてしまい、修理見積り30万円。
- 修理費用を相手(修理工場)へ修理費用30万円支払った。
- 事故については修理費用を弁償し、すでに解決済み。
- 大きな出費だったので、30万円について保険を使いたいと考えた。
- 保険会社へ連絡したところ、価値が10万円しかない車なので、10万円しか払えないと言われた。
実際に支払った金額の30万円ではなく、10万円しか保険では払えないといわれてしまったという状況です。
言っていることは、言いたいことはよくわかるんです!
壊れた物を補償する(損害賠償)ことは、法律上では「壊れたの物価値まで補償すれば良い!」ということが前提のためなんです。
今回のケースの場合、車の現在の価値(時価)が10万円だったため、保険会社は10万円しか支払えないという状況です。
「物」にはその時の価値(時価)がある!時価まで補償すれば損害賠償上は問題がない!
なぜ保険会社が掛かった修理費用30万円全額を補償できないのかと言うと、法律上の損害賠償の範囲を補償するのが保険会社だからです。
法律上の損害賠償がどういうものかというと、
物は現在の価値(時価)がすべてで、その価値まで補償すれば損害賠償上は問題ない。
子どもがお友達の家の車に傷を付けてしまった場合を堅い言い方で言うと、「相手に対して法律上の損害賠償(損害補償)をする必要がある」ということ。
個人賠償責任保険を使うということは、法律上の損害賠償をする必要があるということが前提で、条件を満たすことで保険が使えるということなんです。
例えば、子どもが他人の自転車に少し傷を付けてしまい、1000円程度の見積りである場合は、相手方と直接話合いを進めてもさほど問題にはなりません。
- 相手の壊れた物の状況が分かる写真や見積り、支払い済の場合はいくら支払ったかわかるように領収書をもらってください。
- 保険が使える場合でも、保険会社へ壊れた物の資料の提出が必要です。
保険会社へ必ず相談をして欲しい事故のケースはこんな場合
しかし、以下の状況の場合は保険会社との相談前に、相手と話し合いを進めることはお勧めできません。
- 壊れた物の価値が分からない場合
- 壊れた物の修理費用が高額の場合
- 壊れた物の修理費用以外の補償を求められた場合
- 他人に怪我をさせてしまった場合
- 相手から脅迫まがいの連絡が入る場合
物は、その時の価値(時価)までしか法律上では補償をしなくても良いとなっていますが、車を預けている間の替わりの車の代金(代車費用)等も保険では対象となります。
特に怪我については、法律上の賠償でも実は治療費だけの補償ではないのです。
- 治療費・薬代
- 通院にかかる交通費
- 休業補償(ケガで仕事を休んだ場合)
- 慰謝料
- 後遺障害に係わる費用(後遺障害が残ってしまった場合)
ケガの容体によっても、法律上に賠償の必要がある項目がまだまだあります。
相当な知識がない場合は、上記のケースの場合は保険会社へ相談の上、保険会社へ話合いを任せることが一番です。
個人賠償責任保険の相手との交渉(示談交渉)をしてくれるサービスが付いていることは確認必須です!
示談交渉サービスが付いていなければ、保険会社は相手方と交渉が出来ません。
その場合、相手がどんな人でも相手の損害程度が大きくても、個人で直接話合いを進めなければならないのです。
子どもが起こす事故に対して個人賠償責任保険に入っている場合でも、
示談交渉サービスを付けることを強くお勧めします。
- 個人賠償責任保険に示談交渉サービスが付いている場合、保険会社が相手と示談交渉をする、個人で相手と直接交渉する、事故の時にどちらでも選択できます。
- 相手方と直接話しを進めている途中に、保険会社に示談交渉を変わってお願いすることもできます。
- 個人賠償責任保険は、自動車保険や火災保険、傷害保険等に付けていることが多く、1つの家庭で複数入っている場合もあります。
加入している個人賠償責任保険に示談交渉サービスがついていない場合は、
- 相手との交渉状況
- 相手からもらった見積り費用
- 相手からの要望等出てきたとき等
保険会社へ相談しながら進めていってください。
見積り費用が妥当な金額であるのかどうか確認はしてくれますよ!
まとめ
お友達との事故やケガが起きた場合でも、まずは保険会社へ連絡をしましょう。
個人賠償責任保険が使えるのか、この後は何をした方が良いのか指示を仰ぐことが大切です。
- 保険会社(代理店)へ事故の報告をする
- 壊れた物の写真やケガした人の情報があれば提供する
- 保険会社へ示談交渉を任せるかどうか検討する
- 結果として保険を使うかどうか決める
保険会社へ相手方と交渉(示談交渉)を任せた時でも、金額が出てから保険を使う、使わないを決めることが可能です!
個人賠償責任保険の良い所は、保険を使っても次年度以降の保険料等への影響がないところです。